[演劇]エビータ

と言うことでお茶濁しテーマ第一段。
劇団四季の舞台の中でもとても好きな作品です。


物語は20世紀初頭のアルゼンチン、田舎町に私生児として生まれ、十代の半ばからその容姿を生かして数々の男を踏み台にし、声優や女優を経て、ついには後の大統領となるペロンと出会い愛人(第2婦人)となり、ファーストレディーの座を射止めた女性、=エビータの半生を“チェ”という名の(風貌は明らかにチェ*ゲバラ)男を狂言回しにして進行します。必ずしもエビータの人生を賞賛するものではなく、その性を売り物にしたり贅沢な衣装を着たりというどちらかというと批判的な言い回しで物語は展開します。

エビータは若くして病気で亡くなりますが、その頃には政治に熱心に参加するようになり、国民にも絶大な人気があったそうです。最近アルゼンチンでは、クリスティーナ夫人がエビータの再来として人気がでましたが、今でもエビータはサンタエビータと呼ばれ人気があるようです。

この作品はティムライスとアンドリューロイドウェーバーのコンビ作品で2人は数々の作品で世界的ヒットを作り上げてきました。“エビータ”はいわゆる台詞がなく、全ての進行が音楽に乗せて唄われます。もちろんその一曲一曲がすばらしく、エビータの心の内を吐露するものや、野心にあふれ国をその手の内に入れようとするものなど、曲調もバラエティーに富んでいます。

私は昨年名古屋で初めて見てから、とても気に入って合計4回も観に行ってしまいました。いろんな席でみましたが、前から2番目やや右という席では、舞台の傾斜が(四季の舞台は遠くからでも見やすいように床が傾いています。)想いの他キツく俳優さんたちはその中でヒールを履いたりして踊るのだからスゴいと感心しました。

ただ、最初に観たときはエビータに関しての予備知識が全くなく、理解できない所もあったので、帰り道にWebで調べてほほぅとなり、そういえばマドンナ主演で映画化されていることを思い出し、何件か店を回ってみましたが売ってないのでその日の晩に、tsutaya on lineに注文しました。(古い映画なので他では売ってなかった)
この映画版もアルゼンチン国内では、マドンナと一緒にするなぁ、とかそんな愚か者ぢゃないとかの批判が渦巻いたようですが、私はかなり楽しめました。

でも、映画のように説明が充分ではなかったり、理解しにくかったり、するところはあっても舞台の方が断然楽しめます。(まぁ1万円位のチケット代なのでそれに見合うかは、観る人次第ではありますが)
中でも1幕終盤の、国民をそしてペロンを鼓舞する“ニューアルゼンティーナ”にしびれ、ラストのラメントでしんみりとして劇場を出るときには、満足感でいっぱいになります。

今もエビータのサントラを聞きながら書いているとシーンがよみがえってくるようです。

現在全国公演中で各地で公演中なのでお近くに来た際には是非ご覧になってみてください。