帰らない日々

本日、見てきました。内容は、ある大学教授で裕福で幸せな生活を送っていて、その日も2人の子供たちと休日を過ごしていたが、ふと立ち寄ったガソリンスタンドのそばで息子が車にひかれ死んでしまう。犯人の車はその場を逃げさってしまう。父親は一瞬犯人の顔を目撃するが思い出せない。その後時間が過ぎるばかりで警察の捜査はとして進まないので、あせる父親は弁護士に捜査を依頼するがその担当する弁護士がひき逃げ犯だった、とここまでは宣伝で言っていたことです。


この映画自体はそこそこの出来で、お薦めするほどでもないが、それより考えさせられるのは、描かれる父親が犯人探しに血眼になってる所を観て、ここ数年マスコミでも声高に叫ばれる、遺族感情やら癒えぬ心とか被害者救済などの話題の事です。家族が亡くなった場合に残された物が癒され生きていくためには、その思い出を慈しみ、残された者が肩を寄せ合い力を併せて・・・なんてのはキレイゴトってことになっているのは世界の他の国でも同じなのかなぁ。この困難を小さい妹に負担を少なくしつつ時が経ち、立ち直る方法を見つけ、なんてのは絵空事で、とにかく犯人を捕まえて刑務所にぶちこみ、できることなら復讐してやりたい、というのが映画に描かれるほどスタンダードな考えになっているとは、びっくりしました。そうしないことには決して残された者に平穏な日々は訪れないし、癒されることはない。これは、日本のマスコミが創り出し、現実となったホラーであり、原始的な犯罪につながる。現代社会に於いて、多数の人間が同じ社会に暮らし様々な係わり合いと、無関係さの中で生きている中で犯罪、傷害や殺人があるのは避けがたいことではあるが、それを遺恨を持ちにくいように現代的に裁くのが今の制度(とても古いとはいえ)なのに、マスコミはそういった感情を煽る(ありのままの報道とは言えないと思う。とても恣意的だ)


物語は、それなりの終わり方を迎えるが、そんなことを考えてました。