潜水服は蝶の夢を見る

昨日、見てきました。
梅田のスカイビルにあるガーデンシネマの19:25からの回でした。
やはり、人気があり60名以上が入っていました。公開2週目のミニシアターの最終回にしては盛況でしょうか。


物語の舞台はフランスで、世界的に有名なファッション雑誌であるELLEの編集長であるジャン=ドミニク(42歳!!!)が、ある日突然、脳出血倒れ、ロックトイン・シンドローム(閉じこめ症候群)と呼ばれる脳や意識ははっきりとしているが、全身に麻痺が残っている状況になるが、唯一動かせる左目のまばたきによって、言語に変えて、ついには20万回のまばたきによって、本を書き上げた実話の映画化です。
以前、予告編で見たときや、映画のオフィシャルサイトchou-no-yume.com - このウェブサイトは販売用です! - 映画 アニメ動画 ドラマ動画 映画動画 海外ドラマ リソースおよび情報には、奇跡のとか、涙きらめくとか、感動作とかっていう宣伝文句だったので、泣く準備をして見に行ったんですが、これが全然違う印象を持ちました。


映画は、体が不自由になったジャン=ドミニク(通称ジャン=ドー)の目線で始まり、中盤以降までその不自由な目線で語られる。その映像と共にとても息苦しく、つらい感じが最初はしました。
しかし、途中でジャン=ドーが語るように、くよくよ考えるのはやめて、出来ること、やれることを考えて前向きになり本を書き始めます。内容は過去の思い出であったり、家族のこと、愛人のこと、友人のこと、仕事のこと、今の生活のこと等です。軽快な音楽や、マンチェスター系?の音楽に乗って描かれるのは、ジャン=ドーの事をただ綴っているだけです。哀れんだり、あきらめたり、蔑んだりと言ったことや、絶望する様や希望を失った様などが描かれる訳ではなく、ただ、綴られていきます。軽快ですらあります。


でも、当然ですが、この様な状況に希望がないのは言うまでもなく、愛情でつながっている人々とは、つらい状況になるし・・・・


でもでも、彼は飄々と本の完成に突き進み、どんどん素直になって行きます。
彼が、物語の中で言うように、体は潜水服を着ているように重たいが、心は蝶のように軽快に舞っている、その感じが良く描かれています。


映画館を出るときに、前にいたカップルが“3.4点くらいかなぁ”“エー、4.2点くらいはいくわよ”とか言い合ってましたが、私は、満点です。この1年に観た中でも最高ではないでしょうか。
まぁ、そんなに期待せず、泣く準備もせず、肩の力を抜いて時間の空いたときに観てみることをお勧めします。
タイトルも、アンドロイドは〜〜から取っているようで、内容も伴っており、洒落てます。
フランス語のようにおしゃれに軽快に、楽しめると思います。